所長のコラム

はじめに

どうもすっきりしない雨模様の毎日が続きますね。皆さん、体調の方はいかがでしょうか。天気ばかりでなく政治の世界もすっきりしないですね。消費税増税法案が衆議院で可決されたというのに、これからどうするかの話ではなく、もっぱら民主党の造反議員の処分など内輪もめの話題ばかり。日本の行く末はいったいどうなるのでしょうか。

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7月コラム 消費税について考える

2012年6月26日、消費税率を2014年4月より8%、2015年10月より10%に引き上げる消費税増税法案が衆議院本会議で可決されました。増税に関しては、議員選挙における得票率に大きく影響するため、玉虫色の不毛な議論が繰り広げられていました。

既に消費税率引き上げが決定された以上、仕方ありません。私は消費税という徴税の仕組み自体を否定するつもりはありませんが、10%以上の消費税率引き上げに関しては反対です。少子高齢化に伴う社会保障費の増大と負担の問題を解決するために、国民が広く負担する消費税の増税でカバーするという安易な考え方に納得がいかないのです。人間は生きていく上で消費するのは当たり前ですから、時の為政者が消費という行為に税率をかけようと考えるのは至極当然といえるかもしれません。

しかし、今後、ヨーロッパ諸国並みに税率を上げるというのはいかがなものでしょうか。福祉大国のスウェーデンは消費税率が25%と非常に高いのですが、国税収入全体に占める消費税の割合は22%です。これは日本の消費税5%の時における国税収入全体に占める消費税割合と同じです。国家財政は税収をはじめとする歳入と歳出のバランスの問題だと思います。よその国も高いのだから、我が国も同じレベルに上げましょう、なんて言う都合のよい横並び意識は全くナンセンスです。また、ヨーロッパ諸国は福祉国家をかかげているだけあって、生活関連にかかるモノ・サービスについては消費税の非課税項目は非常に多く普段の生活にはあまり影響がないようです。

そして、私が最も危惧するのは、下請をしている中小企業への影響です。消費税込の請求書で商取引がされている関係上、消費税増税分がそのまま本体価格の値引きになってしまうのは間違いありません。ただでさえコストダウンで粗利率が低いうえに、5%以上の値引きとなればたまったものではありません。これでは、ますます正社員は減り、人材をもっぱら外注先により調達する傾向が強まる気がします。家族的温かさ、社員の結束力で乗り気ってきた日本的経営は崩壊してしまうのでしょうか。



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鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所