所長のコラム

はじめに

今年は少し寒いですが、桜のつぼみを見るにつけ春の陽気を感じる今日この頃です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。先日、カンブリア宮殿に出演されていた日本マクドナルド代表 原田泳幸さんの話を聴いて、ガツンと頭を殴られた思いがしました。

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4月コラム どうすれば変われるのか

原田泳幸氏が日本マクドナルド代表に就任したのは、今から8年前。マックが激安戦略の先頭を走り、赤字に転落していたときでした。改革わずか8年で売上高を1,500億円増やし、外食産業初の5,000億円の大台を突破。顧客数をのべ5億人増やしたにもかかわらず、店舗を3,800店舗から3,300店舗に減らしました。ものすごい業績です。

彼は就任当初、改革の柱に上げたのはマックらしさを取り戻すこと。すなわち、原点回帰です。当時マックは安かろうまずかろうの代名詞になり下がっていました。まずは味をよくすること。そのために「メイド・フォー・ユー(注文を受けてから商品を作る方式)」の全店導入に踏み切りました。そして、味をよくしたら、今度は驚くことに今の100円マックを始めたのです。社員からは猛反発をくらいます。しかし、今までの激安戦略とは意味がちがう、美味しくなったマックへお客様を再び呼び戻すための戦略である、と社員を説得して断行します。狙いは的中。次なる一手はこのデフレ不況の最中、付加価値の高い高額ハンバーガーセットを次々に投入し、値上げをしていきます。最近のマックは確かに100円マックもありますが、値段の高いセット商品が多くないですか。でも、美味しいんですよね。さらに、利便性を追求したドライブスルーシステムの充実で、これまた繁盛しています。

原田改革は次の3つの考え方に基づいています。(1)「価値を考えて値段を決めろ」、いわゆる安売りではなく、商品価値を見極めて値段以上の経験をお客様に提供すること、失敗している企業は今までと同じ価値のものを単純に値下げしている、(2)「新商品を中核のビジネス強化につなげろ」、安くて美味しいコーヒーを開発したのもスタバに対抗するためではなくドル箱であるビッグマックを購入して頂くための呼び水、(3)「リーダーは大胆に思考し慎重に実行しろ」、低迷期の新規ビジネスほど危ういものはない、ということです。

そして、何よりも彼は「改革を成功するための大事な鍵は何か」という問いを若手幹部に投げかけ、いろいろな回答が出てくるも、すべて違うと一蹴し、ひと言「業績」だ、と言い放つ。業績がなかったら、どんな正しい戦略も改革も正しくないのだ、と。考えに考えて、決めたら即行動。そして、絶対に外部環境のせいにせず、結果を残す。原田氏は経営者の鏡です。



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鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所