所長のコラム

3月コラム 荒行と書き初め

2月初旬に私は経営者仲間たちと共に知多郡東浦町にある乾坤院(けんこんいん)という寺院に座禅を組みに行きました。ここは、徳川家康公の母、於大の方が松平家へ嫁ぐ際にお稲荷様が道中を守ったという民話がある由緒ある寺院です。ところで、私たちは、毎年、冬に荒行をおこなっています。例年ですと、多度大社の川で禊(みそぎ)を行います。とにかくその寒さ、冷たさの厳しいこと、厳しいこと。その後に各自が思い思いに自分の今年のテーマを書き初めして、仲間の前で発表するのです。

こうした荒行は普段の生活の中ではなかなか経験できないことです。私自身にとって荒行は非常にためになっています。まず、絶対にやりたくない、できない、無理だ、と心で勝手に思ってしまうことを敢えて行うところがいいんですよ。人間だれしも自己防衛本能がありますから、本能的に外からくるものに対して、まずは壁をつくります。それは仕方のないことです。でも、自分の身を守る壁ばかり作っていたら、社会や人とうまく関わっていくことは難しいでしょう。その壁を乗り越える訓練の一つが荒行だと私は位置づけて毎年のぞんでいます。

また、小学生の冬休みの宿題くらいにしか思っていなかった書き初めもバカにしてはいけません。1年のスタートを幸先良く切るためには非常に有効です。今年の自分のテーマというか行動指針をきちんと考えて、それを言葉として表現します。ちなみに、私は「体技心」としました。この言葉は、前回の落合監督の話に通ずるものであり、頭で理屈っぽく考えてばかりいずに、まずは体を動かして(目の前にある仕事をきちんとして)、技術を磨き上げていけば(有用な知識をしっかり身につければ)、自ずと心は強くなる(自信がつく)からです。また、これを皆の前で発表することに大きな意味があります。先ほどの自己防衛本能ではありませんが、テーマ・行動指針を自分の心の中にだけしまっておくと、できなかった場合、不問に付し逃げてしまいます。そんな甘えを排除するために、あえて皆の前で有言実行を誓います。さらに、その書き初めを会社の事務所に貼りだしておくことで常に自分の心を奮い立たせていくのです。

心を整えるために、形を整えることが大切だと感じました。日頃の整理整頓もそうですよね。



≪ 2012年のコラム一覧へ ≫

鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所