所長のコラム

6月コラム はやぶさ、そうまでして君は

3月24日放送のカンブリア宮殿に「はやぶさ」プロジェクトマネージャーの川口淳一郎教授が出演されていました。その川口氏がこの「はやぶさ」プロジェクト秘話を記した著書のタイトル「はやぶさ、そうまでして君は」に私はくぎ付けになりました。「はやぶさ」は探査機であり、ロボットです。その「はやぶさ」を君と呼んでいます。そこに川口氏のこのプロジェクトにかける並々ならぬ強い思いが感じられたからです。また、そこには「はやぶさ」は共に困難に挑んだ同士であるという物語を感じたからです。

探査機「はやぶさ」は地球から小惑星イトカワを目指し、そこへ着陸し地表から砂状物質サンプルを回収して、再び、地球へ帰還するという世界初の挑戦でした。結果として、全行程約60億q、7年間の航海におよびました。その間、さまざまなトラブルにみまわれ、イオンエンジンの故障、燃料漏れ、一時は管制室との通信が途絶え宇宙をさまようことになります。でも、奇跡的に通信は復活しました。川口教授は言います。奇跡は狙って起こせるものでないとしても、自分を信じ、たとえ愚直であっても、一心に一つのことを貫いていけば、奇跡に立ち会える資格だけはもてるのだ、と。

さらに、困難は続きます。地球への帰還を目前にして「はやぶさ」の心臓であるエンジンは7年にわたる長旅で停止寸前に。もう機体は満身創痍。しかし、プロジェクトメンバーの知恵で何とか地球への帰還にこぎつけます。左の写真は「はやぶさ」が大気圏再突入前、最後に見た地球です。回収カプセルを切り離した後には自らは燃え尽きる運命にある。彼に故郷である地球を最後に見せてあげたいというスタッフの優しさ。そして、「はやぶさ」からは、「決して諦めてはいけない。希望をもって前へ進むんだ」という命のメッセージが伝わってきます。心が震えました。



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鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所