所長のコラム

1月コラム 真摯さ

昨年大ブレイクした “もしドラ” をご存知ですか。そうです。放送作家の岩崎夏海さんが書き下ろした “もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら” という青春小説です。発売からわずか6カ月で100万部を突破したので、読まれた方も多いのではないでしょうか。

話の展開に少々無理はありますが、ドラッカーのマネジメントにある「企業の目的は顧客の創造である」、「顧客とは誰なのか」、「顧客を創造するために必要なものは、マーケティングとイノベーションである」等々、経営に関する重要な要素をうまく引用しながら話は進んでいきます。しかし、物語の本質は、経営手法を学んで野球部という組織を立て直し、甲子園を目指すべく試合に勝ち進むことにあるのではありません。

私はドラッカーの《マネジャーの資質》について以下のくだりにくぎ付けになりました。

「人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。

真摯さとは何か。辞書を引けば、まじめで、ひたむきなさまとありますが、ここで言う真摯さとは意味が違います。家庭、学校、地域、会社、大きくは社会、われわれ人間は人が集まり人と関わる組織の中で生きています。組織が目的を達成する、そして、組織の構成員が幸せになれるようにするにはどうしたらよいのか、ということを問いかけているのだと思います。そういった意味での真摯さとは、やはりまずは相手の話をよく聞き、相手の立場に立って、ものごとを考え、そして、行動することである、そんな感じがします。“もしドラ”の登場人物の心の動きや行動も真摯な姿に変わっていく様が描かれていました。

みなさん、年初めに今一度、“真摯さ”について考えてみてはいかがでしょう。



≪ 2011年のコラム一覧へ ≫

鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所